減化学農薬・減化学肥料への取り組み

これまでの米作りといえば、作業時間を短縮しながらも安定した収量を確保するため、一定の基準で化学農薬・化学肥料を使用するのが一般的でした。当園も長年にわたってこの方法を続けてきましたが、安心・安全なお米を求める声が多くきかれるようになった背景と、「これまでの米作りではいけない」という強い想いから、化学農薬の使用回数や化学肥料の使用量の削減への取り組みを平成24年産米から始めました。

 

具体的には、農産物が美味しく健やかに生育するために農家が試行錯誤して創りだした有機質肥料「ぐんぐん」を元肥(もとひ)とすることと、栽培技術の研鑽により稲が元来持つ力を引き出すことで、「全く化学農薬・化学肥料を使用しない特別栽培米(エコ100)」及び「極力、化学農薬・化学肥料の使用を抑えた特別栽培米(エコ50)」の2つの米作りに取り組みます。またこの過程も随時当サイトに掲載していきたいと思います。 これまで全国的にみると決して流通量の多くなかった山口県産のお米を、たくさんの方々に知っていただくために、あわせてインターネットでの通信販売を開始したいと思います。

 

山口県では通常の農産物栽培に比べて化学農薬と化学肥料の使用を50%以上削減した農産物(特別栽培農産物)について、県が認証する「エコやまぐち農産物認証制度」を設けています。当園では、エコやまぐち100、エコやまぐち50の認定を受けています。みなさんにお米をお届けする際には、認証シールが目印です。

資料:有機質肥料「ぐんぐん」について 主原料に牛糞堆肥、なたね油粕、米糠、カニ、エビ殻、籾殻燻炭、その他を使用した酵素牛糞で、山口県第345号。有効微生菌を混合し、50%醗酵させて、袋詰めすることで醗酵を止めます。 施肥方法は田畑を耕す時に施肥すれば、眠っていた微生物が再び活動を始めて残り50%の醗酵分解を始めます。この分解時に生まれた醗酵素を植物が吸収することにより、生育を助けます。

 

資料:農薬の使用について 一般的に農薬の使用目的は(1)病気の予防(2)害虫の防除(3)除草で、散布を徹底することで省力化を図りながら安定した収穫量を確保することです。 下記表のように当園の「エコ100」は全く化学農薬を使用していませんが、「エコ50」についても除草剤1回のみの使用に減らす事により、できる限り農薬を使用しない栽培を行っています。結果として「雑草が田に残った場合」は、除草機等を使用し人力で対処することになります。 また農薬不使用の場合、病害虫による被害は米の収穫量に大きな影響を及ぼす可能性がありますが、当園では栽培方法の工夫により稲が元来持つ力を引き出すことで、「安心・安全な米作り」を目指しています。


栽培田における農薬使用状況

  使用農薬(使用目的) 当地域  

エコ50

エコ100
種子消毒
(ばか苗病や籾枯れ細菌病等を予防し、健康な苗を育てるために行います。)
使用 不使用 不使用
前処理除草剤
(ノビエ等の処理を行うため、代掻直後に散布します。)

多発生田において使用する場合もあります。

不使用 不使用
初・中期一発除草剤
(雑草の発芽を抑えるため、田植後10日頃までに散布します。)
使用 使用 不使用

後期除草剤
(ノビエ・雑草が処理できなかった場合に散布処理します。)

状況に応じて使用する場合もあります。  不使用 不使用

箱施用剤
(病害虫防除のため、田植えを行う前に苗箱に散布します。)

使用 不使用 不使用
出穂前基幹防除
(いもち・紋枯病及びコブノメイガ・カメ虫類等防除のため散布します。)
使用 不使用 不使用
出穂後基幹防除
(いもち及びウンカ類・カメ虫類等防除のために散布します。)
使用 不使用 不使用
 

上表の農薬「使用」とは、慣行栽培を行う際に当地域で定められている基準内での使用です。一般的に農家は、この使用基準内で使用しています。